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我が社の事業部長には2000円の決裁権すらない

2015 年 2 月 23 日 コメントはありません

事業部と言えば、カンパニー制である。稲盛さんのアメーバ経営って奴だろう。
そのトップである事業部長は言わば社内の子会社の社長とも言える。
ところが驚くべきことに、我が社の事業部長にはわずか2000円の交通費の決裁権すらないのだ。
経理に「この領収書、事業部長では決済出来ないので役員の印鑑をもらって下さい」と言われた時に愕然とした。いくら小さい会社でもそれはないよね..

もちろん会社によって考え方が色々あるだろうからしょうがないのだけど、これってもっと単純な「権限と責任」の問題になるのではないか。
何も権限を与えず、手足を縛り、それで責任だけ負わせるというのはフェアじゃないっしょ。
事業部長に2000円の決裁権すら与えないと言うのなら、彼は何も決められないのではないか。全て上に許可を取らないと何もできない証拠である。それで良い仕事が出来るだろうか。
だったら初めから社長や役員が全て細かいところまで決めて、その下は全員ヒラでよくね?

もしそれがよい考えなら、思い切ってそれをしなさい。許可をもらうよりも、謝るほうが簡単だから。 by Grace Murray Hopper

プロ野球とかでもそうですよね。
厳しいプロスポーツの世界だって、1年くらいのチャンスは与えられるはずだ。
例え毎打席ホームランを打てなくても、シーズンを通して数十本のホームランを打てば問題ないだろう。

さて、「ホウレンソウ(報連相)」などと言って、よく上司が部下に求める文言がある。自分の解釈はこうだ。
・報告 → 結果を伝える(命令されていたことや発生したこと)
・連絡 → 予定を伝える(今後の見通しなど)
・相談 → 出来ないことや分からないことを伝える(助けや教え求める)

それと同じく、上が下にしなければならないことを自分なりにまとめて「メイエンカイ」と呼んでいる。
・命令 → 目的とゴールを示す
・援助 → 状況を確認し必要によってヘルプする
・解説 → 手段、方法、リソースを教える

このうちの「解説」だが、車輪の再発明にならないようにすでに試みて失敗した経験や良いと思われる具体的な方法を教えると同時に、与える権限を伝えなければならないと思う。
下の者が何をしてもいいのかをはっきりさせるのは上の役目だ。
さて、その時に「君には2000円の決済権も与えないよ」と言われた事業部長はどうするだろう? 絶望しかないよね。

一つ一つの結果だけでなく、ある程度の期間を通してのトータルの結果で見なければいけないんだと思います。

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個人としての営利活動、団体としての営利活動

2014 年 11 月 12 日 コメントはありません

仕事の経験から一つ分かったことを書いてみます。

会社という組織は、営利のために活動しています。儲けてナンボの世界です。
会社で働く個人も同様に個人の利益のため、つまり給料がもらえるから働いています。
しかし、個人レベルで考えると、苦労しても同じ給料しかもらえないなら、苦労の少ない楽な仕事をした方がよい、ということになります。
朝から晩まで肉体を酷使し働いても、通常は低賃金です。一方、大企業でのんびりコーヒーを飲みながら働いても、肉体労働者よりも厚遇なことが多いでしょう。
つまり、辛い仕事だからと言って、給料が高いとは限らない。そんなの当たり前なので、より良い席を求め、椅子取りゲームの就職活動が熾烈な戦いになるのでしょう。

さて、仕事をしていると様々な部署、様々な個人の思惑、力関係などによって、仕事の進め方が決まって行きます。担当者が個人の考えで、やる・やらないを決めることが許されていることは少ないでしょう。
例えば非常に難しい仕事があったとして、担当者個人としては、失敗のリスクが高く(ボーナス査定ダウンや最悪クビ)、チャレンジして成功したとしても給料も変わらない、会社の制度上などの理由で出世や将来にも影響がない、となればその仕事はやりたくないというのが本音でしょう。

とは言え、会社でそんなことを公言するのは、立場を非常に悪くするので言えません。
追いつめられた担当者が取る道はおのずと決まってきます。
つまり、社内的に角が立たない方法で仕事自体を無くしてしまう道です。
例えば、発注先の見積もりを改竄し、あえて値段を高くし、会社に報告する。
高すぎるので仕事として成り立たなくなり、そのまま仕事自体が流れるかも知れません。難しい仕事が消えた担当者は一安心です。社内での評価もそれほど下がらないでしょう。

会社組織において、このようなモチベーションの従業員を抱えることは問題です。
しかし、これは個人の問題だとは言い切れない部分もあります。人が増えればモチベーションの高くない人は一定数出てきます。
会社として出来ることはないのでしょうか。
・・私はこう考えます。

まず担当者を追い詰めすぎないないこと。
追い詰めると会社にとって不利益でも個人としてはある程度のメリットがある方法を編み出し、繰り出してきます。
どこかに逃げ道、余裕を与えましょう。
裁量権限を増やす、時間的余裕を与えるなどが考えられますね。例えば納期に余裕があれば品質リスクは軽減できるかも知れません。
長い目で見れば会社の利益になるはずです。

そして、しっかりとした評価制度を確立させること。
リスクや難易度の高い仕事をしても給料が変わらない、評価にも影響しない、ということであれば難しい仕事から逃げたくなる人ばかりになってしまいます。
目標を立てさせる会社は増えていますが、目標を達成したら個人にとってどれだけプラスになるのかも先にしっかり示すべきです。
反対に、「できなかったから、君にはボーナスがないのだ」となれば、従業員側も納得しやすくなるでしょう。

日本には高い技術があると盛んに言われていますが、私はそうは思いません。
結局は人なのです。人が優れていたから技術も受け継がれてきたし、国が豊かになったのです。
人を活かすも殺すも組織の制度とトップの考え方次第だと思います。
「みんなで考えましょう」なんて言うのはトップの逃げです。「船頭多くして、船、山に登る」と謂います。
会社が潰れて、従業員の責任にするトップなんていません。

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