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自分で電子証明書を作ってPDFを暗号化してみた

2016 年 10 月 16 日 コメントはありません

ビジネスで使われることも多いPDFファイル。
確かにExcelなどに比べ、PDFは編集しづらいファイルですが、Illustratorなどを使えば簡単に編集できます。

PDFは閲覧したり、編集したりすることを制限するパスワードを設定できますが、結構簡単に破られるそうです。つまり、パスワードだけでは安全と言えないのです。
また、そもそもそのパスワードを相手にどうやって伝えるのか、という昔からの暗号の伝統的問題があります。
パスワードを誰かに盗まれたら、PDFにパスワードをかける意味が低下しますよね..

それらを解決するのが、電子証明書(デジタルID)による暗号化です。
公開鍵を使った暗号化は20世紀に考えられ、今でも有効に使える暗号化方式です。
暗号を受け取る人が暗号を指示する、というのがこの暗号の大きなブレイクスルーでした。
暗号業界ではRSA暗号が有名ですね。

暗号の理論は非常に難解で、複雑な数学が出てきますが、実際に使うのはシステム上難しくないのがポイントで、それゆえ普及しています。
「生卵から玉子焼きを作るのは誰でも簡単だが、玉子焼きから生卵を作るのは事実上不可能」というような数学的理屈を基にしています。
RSA暗号は巨大な素数を掛け合わせ、それを素因数分解するのは難しいということを根拠にしているそうです。

さて、本来公開鍵暗号は一対一のやり取りで使うことができるのですが、それだけだと通信相手が本物なのか証明する術がありません(なりすまし)。
そのため、一般的には、信頼できる第三者機関を間に挟み、相手が本物だと電子証明書を認証してもらいます。
認証してもらうのにはお金がかかります。
ちょっと調べてみたのですが、個人用の簡易認証でも年間3500円くらいするようです。

テストだけならなりすましを心配する必要もありませんし、可能であれば相手からFace to Faceで電子証明書をもらえば安心でしょう。
ということで、PDFの暗号化を電子証明書を用いて行ってみました。
今回はPDFですが、メールなどを暗号化する場合でも理屈は同じだと思います。

必要なもの:
・Windows パソコン (使ったバージョンは10です)
・Adobe Acrobat (使ったバージョンはPro DCです)

流れとしては、自分の電子証明書を作り、それを相手に渡します。
相手はその電子証明書を使って、送るPDFファイルを暗号化します。
暗号化されたファイルは自分しか開くことができません。暗号化した人も開けないのです。

1. 電子証明書を作る(ファイルを受け取る側)
Acrobatで電子証明書を作ります。
Acrobatで適当なファイルを開き、ツール > 保護 > 暗号化 > 証明書による暗号化 > この文章のセキュリティ..「はい」 > 設定を適当に.. 次へ > デジタルIDを追加 > 今すぐデジタルIDを新規作成 次へ > Windows証明書ストア 次へ > 名前とメールアドレスを入力.. 完了
これでWindows証明書ストアに自分の証明書が作られました。
この後はAcrobatを閉じて構いません。
なお、電子証明書はOfficeを使っても作れます。
C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\root\Office16\SELFCERT.EXE
などからになります。

2. 電子証明書を送る(ファイルを受け取る側)
コントロールパネル > ネットワークとインターネット > インターネットオプション > コンテンツ > 証明書 > 個人
ここに先ほど作成した証明書が入っているはずです。
エクスポートを選び、次へ > いいえ、秘密キーをエクスポートしません 次へ > DER encoded binary X.509 次へ > 参照で保存する場所とファイル名を入力.. 次へ > 完了
これで相手に送る証明書が作られました。これを相手に送ります。
送る方法は何でもいいです。メールでもいいですし、USBメモリなどに入れて手渡しでもいいです。
*本来は電子証明書を受け取る人(暗号化したファイルを送る人)が、その電子証明書が本当に正しい相手(暗号化したファイルを受け取る人)から来たかどうかをしっかり確認する必要があります。なりすましを防ぐためです。

3. ファイルを暗号化する(ファイルを送る側)
ファイルを受け取る側から受け取った電子証明書を使ってファイルを暗号化します。
Acrobatで送るファイルを開き、ツール > 保護 > 暗号化 > 証明書による暗号化 > この文章のセキュリティ..「はい」 > 設定を適当に.. 次へ > キャンセル > 証明書セキュリティ警告 続行 > 受信者の選択 参照 受け取った電子証明書を選んで 次へ > 完了 > Acrobatのセキュリティ OK > 名前を付けて保存でPDFファイルを保存します
これで完了です。このPDFファイルは暗号化した人も開くことができません。もちろん第三者も開けません。
1の電子証明書を作って、ストアにインストールしている、秘密鍵を持っている人しか開けないのです。
後はこの暗号化したPDFファイルを電子証明書を送った人に送り返します。

如何だったでしょうか、複雑な暗号理論を理解しなくても、スーパーコンピュータを使っても解読が難しいと言われる暗号化したPDFファイルを作成することができました。
ファイルをやり取りする人と電子証明書をお互いに交換しておけば、データを安全にやり取りすることが出来るようになります。

今回はPDFを取り上げましたが、他のファイルやメール、ウェブページも基本的には同じ理屈です。

仕事で安全にファイルをやりたい時にご参考にされて下さい。

<参考>
技術者でなくても分かる 電子証明書とPKI入門

カテゴリー: 仕事 タグ: , ,

アナログメモ+デジタル保管

2011 年 4 月 23 日 コメントはありません

ショットノート」というメモ帳がキングジムから発売されています。これは自分で手書きしたメモをiPhoneで撮影すると、斜めからでも正面に補正される仕組みのメモとアプリがコラボする商品です。

そんな今日、メモやノート、手帳の内容をデジタルで保管するということが改めて注目されています。
スマートフォンが一般化し、デジタルで記録をつけていくということも増えていますが、やはりアナログのメモも捨てがたい・・と言う方も多いはず。

アナログの良さとデジタルの良さ

アナログにはアナログの良さがあります。一方でデジタルにはデジタルの良さもあります。
<アナログメモの利点>
・すぐに書ける
・場所を選ばない
・自由に書ける
<デジタルメモの利点>
・保存に優れる
・検索性に優れる
利点の反対は弱点でもあります。アナログメモは散らばりやすく、後で探す時に多大な労力がかかります。デジタルの方はすぐに書いたりするにはまだまだ難点があります。
それぞれを補完するには、アナログでメモして、それをスキャンしたり、デジカメで取り込み、Evernoteなどで保存・OCR処理することではないでしょうか。

そこで今回はアナログのメモを使いやすくするべく、wtpmj流のメモ術を書いてみます。

紙のサイズと種類


私は、「B7サイズがメモには最適」と思っています。B7は128*91で、ちょうど手に収まりやすく、ポケットにも入るサイズです。
A6(148*105)だと大きすぎますし、A7(105*74)だと小さすぎます。

そして、メモするなら、5mm方眼がベストだと思います。方眼は書きやすいです。

B7の弱点・・カバーがない

ところが、B7のメモにも弱点があります。
それは、適当なカバーがないことです。ネットで随分と探したのですが、良さそうなのがありませんでした。
メモは紙ですから、ポケットに入れることを想定をしている私にとって、カバーは必須なのです。下敷きとしても。
カッチョイイB7サイズのメモカバーをぜひとも作って欲しいところです。

さて、カバーがないから、と言って諦めるわけにはいきません。
当初は、A6サイズで妥協し、キングジムの「ノートカバー」や、コクヨの「システミック」に気持ちが動きました。
これらはA6サイズのノートやメモをカバーする商品です。高級なの(手帳)と違って、1000円ちょっとなのに機能的でとても良さそうだと思いました。
しかし、どうしてもサイズの問題が解決しません。A6だとポケットに簡単に入らず、結局携帯しなくなるのではないかという恐れがありました。これではいつでも簡単にメモれるアナログの良さが活かされません。

A7なら選択肢が広がる

そこで、小さい方のサイズで妥協することにしました。そう、A7のメモです。A7ならカバーも少ないながらもあります。メモもまあまあ豊富です。
A7・・考えてみました。どんなカバーがいいだろう、と。ペンがさせるのも一つのポイントでした。
そして改めてショットノートを見ると、Sサイズ(115*77)用のカバー(125*90)がありました。
A7のサイズはショットノートのSサイズより少し小さいだけですから、兼用できるのではないか?!と考えたわけです。
これでカバーは決まりました。

紙を折るという裏技

次に中身のメモです。先にも書きましたが、メモは5mm方眼が良いと考えています。
もちろんショットノートのSサイズでも悪くはありませんが、ショットノートは品薄なのと、専用メモは海外では買えません。それに、たまに大きめのサイズが必要になった場合のことを想定したのです(後述します)。
そこで考えたのが、大きめの紙を折り、メモとして使うことでした。

実はこのアイデア、以前から実行していた方もいたらしく、それ向けに「abrAsus」という商品が売り出されています。
どこでも簡単に手に入るA4の紙を3回折り、A7サイズのメモとして使う、というコンセプトです。
しかし、高い!!ペン付きですが、5800円もします。お高いの(手帳)より高いんです。

そこで私のアイデアは、A5もしくはA6の5mm方眼メモを折って使うという方法です。
A5なら2回、A6なら1回折ればA7サイズになります。
その折ったメモ用紙をショットノートSサイズ用カバーに入れて使うのです。
私はA5を使う方をお勧めします。A5であれば後でスキャンする際に表裏8面全てが同じ方向でスキャン出来ます。

<メモを折り曲げて使う利点>
・A5/A6など汎用性の高い紙が使える
・書くものの必要に応じてA6サイズなどに広げて大きい面を使うことも出来る
と考えました。
簡単ですが考証しています→こちら
A5やA6などのメモであれば、人気の高いロディアなどにもあります。
ショットノートのLサイズ(214*146)は、A5(210*148)とほぼ同じですから、これを折って使ってもいいかも知れません。

そして、ペン

ここまで来れば後は楽しい時間です。自分に合ったペンを探しましょう。
日本の文房具は世界で一番だと思います。品質に数々のアイデア・・本当にこの業界には頭の下がる思いです。

最近のボールペンの流行をここで少しご紹介させて頂きます。
まずは、三菱の「ジェットストリーム」これは油性のボールペンですが、新開発のインクにより、滑らかに書けるともっぱらの評判です。

次に、パイロットの消せるボールペン「フリクション」。紙を削って消すのではなく、擦って熱を上げると消える特殊なインクという仕組みです。

なお、無印良品でも同様のボールペンが売られていますが、これはパイロットのプライベートブランド版です。価格はパイロットより安いのでこちらの選択肢もアリですね。

iPhoneの場合

さて、メモをデジタル保管する一つの方法として、iPhoneのアプリをご紹介します。

CamScannerFree」と言うアプリです。
有料版もありますが、無料版もあります。
このアプリのいい所は、メモや白板を正面から撮影しなくとも、あたかも正面から撮影したように修正してくれ、さらに写真をまとめて一つのPDFにしてくれたり、写真をEvernoteなどにアップロードしてくれたりする素晴らしいアプリです。
実は試しにショットノートにメモして、それをショットノート公式アプリとCamScannerFreeで読み込んでみたのですが、読み込みの結果については、CamScannerFreeの方が良かったのです。
iPhoneをお持ちでしたら、ぜひ一度使ってみて下さい。

活用してこそのデジタル保管

これらで書いたメモは一枚一枚デジカメで撮影して保管してもいいですし、折った紙を広げて一気にスキャンしてもいいでしょう。上で紹介したアプリを使うのも便利です。ご自身に合ったデジタル保管の方法をぜひご検討下さい。
デジタルで保管し、それを後から簡単に検索、活用することにこそ意味があります。活用しなければ、紙のメモをため込むのと同じことです。
このような使い方をする人が増えれば、OCR技術も向上するでしょうから、ますます情報保管と活用の場が広がりそうです。

海外で日本の書籍を、しかも安く読む方法

2010 年 6 月 6 日 コメントはありません

海外に住んでいると日本の本が恋しくなることがあります。
今では本のネット販売が進んでいて、ネット上で注文・決済して、多くの場合送料無料で自宅まで届けてもらえます。
しかし、海外だと送付が面倒ですし、それなりに費用がかかってしまいます。
今まで私は、実家から転送してもらったり、出張に来る人に持ってきてもらったりしていました。
これでは時間もお金も余計にかかってしまいますね・・

今回はそれを大きくカイゼンするソリューションをご紹介します!

1、中国購買王

スコアジャパンというクーリエの会社が運営するサイトです。
日本の書籍をネット上で購入し、そのまま中国などに送ることが出来ます。
本を買ってそのまま送れる手軽さと、送料が安いのが魅力的です。
送料ですが、500円/kgです。コミック本なら大体200g/冊ということですから、500円の送料で5冊まで送れますから、1冊当たり100円の送料となります。

比較情報として、以前少し調べたのですが、香港などにある日本語書籍販売の本屋さんで買うと、以下のようでした。

香港の本屋さんのレート:YEN300=HKD39
実際のレート:YEN300=HKD23.18 ※レートはネットにて確認(2009/4/13)
つまり、約1.68倍の価格ですね。正直高いです・・

計算すると、大体750円以上の本を購入する際は、先にあげたネットの本屋の方がお得になるようです。
39*X=23.18*X+38.63(500円送料)
39*X-23.18*X=38.63
15.82*X=38.63
X=2.44
2.44*300=732
<例>
香港の本屋さん:YEN800の本=HKD104=つまり実際はYEN1345
中国購買王:YEN800の本+送料YEN500(1kgまで)=YEN1300

2、BOOKSCAN

これは本をスキャンしてくれるサービスです。
アイデアの裏技としてどうでしょうか・・?
(実はまだ試していませんので自己責任でお願いします)

このサービスは、1冊当たり100円で、自分の本をスキャンして、PDF化してくれるというサービスです。
アマゾンなどのネット上の本屋さんで本を買い、それを直接BOOKSCANに送付、スキャンしてもらって、PDFデータをメールで受け取るという方法です。メールなら海外でも送料がかかりません。
つまり、プラス100円すれば海外で日本の本を読むことが出来る、という訳です。

しかもオプションでOCRもしてくれるそうなので、パソコンなどで本の内容の検索も可能になります。
iPadなどのブックリーダーをお持ちならますます便利でしょう!

以上お役に立てば幸いです。

追記:
BOOKSCANですが、アマゾンなどから直接送るにはプレミアムサービスに申込む必要があるようです・・9980円/月とかなり高額・・よほどの本好きじゃないとコレじゃ・・残念ですねー。
類似サービスの「スキャポン」ですと、標準で対応してくれるようですが、現在新規受付が停止中です・・
あと両者ともだと思うのですが、かなり盛況のようで、申し込んでから実際にスキャンされるまで相当時間がかかるみたいです。数カ月待ちのようで・・

追記2:
2011年4月18日現在、スキャポンのサービスが更新されていました。
アマゾンなどから直送してスキャンしてくれるサービスの料金が改定され、新規受け付けも始まったようです。
料金の方ですが、1ヶ月5冊で1350円(1冊当たり270円)からとなっています。支払いは銀行振り込みやペイパルがあります。
PDFファイルで納品され、OCR処理も標準でされるそうなので、電子ブックとしては最適でしょう。
海外に住まわれて日本の本が買えない方、送料が高くて困っている方には朗報かと思います。
納期の方も本が届いてから7日以内となっていますので、悪くないと思います。

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