スポンサーリンク

著者の自伝的投資読み物であり、特別な投資法を伝授するものではない ~わが投資術 市場は誰に微笑むか~ 清原達郎

2024 年 3 月 13 日 コメントをどうぞ コメント

https://www.amazon.co.jp/gp/aw/review/4065350352/R2ZSL1W5JJQBCK

著者の自伝的投資読み物であり、特別な投資法を伝授するものではない

2024年3月1日に日本でレビュー済み

投資読み物としては非常に面白いものでした。 著者のヘッジファンドマネージャーとしての回顧録が多く綴られています。 僕も参加していた銘柄の取引の裏側でこんなことが行われていたのかと教えられた面もありました。 星を4つとしたのは個人でも使える何か特別な投資法でもあるのかと勝手に期待をしていたが裏切られた為です(笑)

個人投資家の投資法としては、 ・TOPIX連動ETF50%、個別小型株50% ・小型株は低PER株を選べ(PERを利用したバリュー投資) ・大型株はバリューが複雑すぎて分からないから買うな ・小型株でもグロース市場上場の株式への投資、ESG投資、未公開株投資はやるな ・空売りはお勧めしない(ヘッジファンドとの情報格差の為) ・一社一社丹念にリサーチしろ。会社ホームページだけでも十分に情報はある 投資法を求めてこの本を読もうと思っている方は上記以上のことは入手できないと考えてください。 清原さんの予想によると金利は大きくは上がらないが今後は円高基調となるようです。(1$/120円程度) よって円での運用は日本株が圧倒的に有利だということでした。

NISA枠をS&P500、オルカンで占めている人にはちょっと耳が痛いかもしれません。 そういう方はジェレミーシーゲル教授の「株式投資の未来」を読んで落ち着いてください(笑) あと、投資生活は生活に切羽詰まった人がやるべきことではないということでした。

追記:AmazonでKindleで購入しましたが、何かわからない公開できない内部規約で「Amazonで購入」タグはつかないそうです。

再追記:重版が間に合わないことをいいことに、2倍以上で売ってる業者があるけど急いで買わなきゃいけない本じゃないですよ。 在庫ができるまでゆっくり待ってもいい、急ぐことなんて何もない本です。 編集者の紹介の仕方も投資家のバイブルみたいな書き方して酷いですよね。

136人のお客様がこれが役に立ったと考えています

https://twitter.com/shiozukemann/status/1764215439473971649

なんとなく3章までをまとめると ・割安小型(時価総額500億以下)成長株を買え ・割安の定義は低PERと高ネットキャッシュ比率 ・PBRは見ても意味ない ・成長は社長で判断 ・グロース市場は割高で最悪 ・野村證券(笑) ・ソロスの出資面倒くさいから断った ・坂本龍馬を尊敬している人は意味不明

https://twitter.com/shiozukemann/status/1764106015757553740

「マザーズ(グロース)は最悪の市場」 ・設立以来一度も割安になった事がない ・赤字バイオ等見る価値もない株が多い ・サービス系が多いのに海外に進出出来る企業(小型前提)がなく人口減の国内向けで将来性がない =中身が冴えない割に高PERが多く最悪の市場

https://shikiho.toyokeizai.net/news/0/738599

具体的に私の小型株への投資プロセスをご紹介すると、まず私が独自に計算式を作った「ネットキャッシュ比率の高い順」「PERの低い順」でスクリーニングを行います。 清原流ネットキャッシュ計算 ネットキャッシュ = 流動資産 + 投資有価証券 × 70 % – 負債 ネットキャッシュ比率 = ネットキャッシュ / 時価総額 =(流動資産 + 投資有価証券 × 70 % – 負債)/ 時価総額 『わが投資術 市場は誰に微笑むか』P102より引用

https://toyokeizai.net/articles/-/738431

清原氏が勧めるもう一つの「割安小型株」への投資については、著書にこう記されている。 大多数の投資家の判断に強いバイアスがかかっていれば投資のチャンスです。(中略)1980年代の日本の土地・株のバブルで一部の不動産会社はヤクザぐるみで「地上げ」をやっていたのでイメージが悪すぎ、今でもまだ中小不動産会社の株は強烈に割安です。 電子部品商社なんかも最近でこそ少し評価が上がりましたが、ずいぶんと割安な状況が続いていました。「物を作っておらず、卸として商品を横流ししているだけ」あるいは「売掛債権がいつか不良債権化して大赤字になるかもしれない」という評価だったのでしょうか。(P29より抜粋) 一方で、小型株でも注意するべき投資対象が割高な銘柄だ。清原氏はグロース市場を以下のように評する。 それではマザーズ市場、今でいうグロース市場はどうなのでしょうか? マザーズ市場は1999年11月の設立以来、一度も割安になったことはありません。中身が冴えない割には高PER銘柄が多く、最悪の市場です。赤字のバイオ株など、見る価値のない株が多すぎます。 (中略)もちろん成長株もあるでしょうが、数からいうと「成長するはずが成長できなかった会社」が圧倒的に多いと思います。しかもそれが「成長株であるかのように」高いPERになっていて。(P146~147より抜粋)

オールカントリーというのはS&P500とかなりパフォーマンスが似てくるのではないかと思います。小さい国の株式の売買手数料は高いかもしれないし、S&P500で事足りるのではないかとも思ってしまいます。 私がTOPIXと言っているのは今為替が円安に振れていて将来の円高のリスクを取りたくないからです。将来ドル金利は下がるでしょう。円金利はどれだけ上がるかはわかりませんが『上がるか下がるか?』と聞かれれば『上がる』と答えるしかないですよ。 だから円高のリスクは結構あると思います。もちろん円高になれば日本の株式相場も下がるかもしれませんが、TOPIXだと円高でマイナスの影響を受けない金融株とかの比率も高いし、被害も比較的少ないのでは

「とにかく相場が下がって損したときにパニックにならないことです。株式投資で一番やってはいけないことは下がっているときに株を売ることです。 よく『ロスカット』という言葉を聞きます。『買ってから10%以上株価が下がったら売る』みたいな話です。空売りなら仕方ないけどロングでロスカットなどナンセンス極まりないですねえ。 買った銘柄の株価が下がったら基本『もっと買う』か『そのままにしておく』かの2択です。特殊な場合を除いて売ることなどありえません。

https://gendai.media/articles/-/124251

――投資の際、『200万円あったら100万円はTOPIX(東証株価指数)のETF(上場投資信託)に』と推奨されています。 「ETFには日経225とTOPIXの2種類がありますが、TOPIXの方が前述した半導体製造装置を始めとする過熱感のある銘柄群の比率が低い印象です。それらの銘柄群は、金利が上がると大きな打撃を受ける可能性があります。今後金利は大きくは上がらなくとも上がるのは間違いないでしょうからね」 ――残りの100万円はどこに投資すればいいでしょうか。 「ETF投資は大型株です。大型株は自分でリサーチしても得るものは少なく、ETFに任せるのが合理的です。残りは自分の投資判断で小型の割安株を選んではどうでしょうか。PERとPBR(株価純資産倍率)で見て割安の株のなかから20銘柄ぐらい選んで画面に登録して株価の動きをモニターする。追加情報を得ながら、一番いけそうな銘柄から1銘柄10万円程度ずつ買っていくんです」

https://gendai.media/articles/-/125116

ESGのうちSについては比較的話題になってないのでここでは触れません。Eについては、CO2削減の課題が圧倒的に大きいですよね。二酸化炭素削減を本気でやろうと思えば現世代に膨大なコストがかかります。 民主主義国家で誰かが誰かに強制的に何かをさせようとするならそれは法律によるのが基本であって、法律によらなければ不公平が生じます。一部の環境団体の圧力によって特定の企業が無茶な環境対策を強制されるというのは民主的なプロセスではなく混乱を引き起こすだけだと思うのですが。 投資顧問会社が、日本の商社に石炭の権益を売るように促すのも何の意味があるのでしょうかねえ。権益を買った会社はその炭鉱を閉鎖するわけではありません。むしろ権益を安く買った分よけいに儲かるので、設備投資をして生産量を増やすかもしれません。 そもそも環境問題の議論というのは胡散臭い話だらけなのですよ。その時のムードで話題が盛り上がったと思ったらそのうち立ち消えになったりしますし。その一番いい例が「マイクロプラスチック」による海洋汚染でしょうねえ。「ウミガメに刺さったストロー」で一時あれだけ騒がれたマイクロプラスチックの話ももう聞かなくなりました。マイクロプラスチックの主要な発生源はどうやら洗濯機の排水だということがわかってきたからでしょう。ポリエステル繊維などの合成繊維から微小の粒子が無数に発生するのです。今更、「洋服や肌着に合成繊維を使うな」とか「洗濯するな、洗濯しても排水を流すな」とも言えないものですから、「マイクロプラスチック」の議論は消えてなくなりました。最初から大した問題ではなかったということなのでは。

CO2の議論で私がとても不思議に思っているのが、なぜ「人口を減らす」というアイデアが議論されないかです。そもそも環境問題は地球上で人間が繁殖し過ぎたから起きたことだと思うのですよ。人口が減ればCO2の問題にも対処しやすくなるのですが。 私はニュージーランドによく行くのですが、面積は日本の7割ほどで人口は500万人です。日本もニュージーランド並みの人口密度になれば700万人が住むことになります。今の人口の18分の1です。人口が700万人になれば、今の日本の発電量の8%は水力でその他に再生可能な電源が10%あるので、CO2を排出せずに一人当たり今の3.2倍の電力が使えます。もちろん超高齢化社会などの一過性の苦しみはあるでしょうが。人口が減っていけば今みたいに毎日グダグダとCO2削減の話とかする必要がなくなります。多分一人当たりの所得は増えると思うので一石二鳥です。 「少子化対策」って何のためにやっているのですかねえ。CO2の削減が人類にとって危機的に重要な課題なのなら人口は減ったほうがいいのでは。それともCO2の問題は少子化と同程度のレベルの問題だったのですか?

https://gendai.media/articles/-/125006

小型株をPERとPBRだけで大型株と比較して割安だと結論付けることはできません。なぜなら、小型株には低PER、低PBRである正当な理由があるからです。 まず挙げられるのがその流動性の低さです。流動性が低いので機関投資家の投資対象になりにくい、従って株価が安い。これは誰にでもわかるでしょう。 しかし、低PER、低PBRで評価されている正当な理由は、他にもまだ可能性としていくつかあります。

  1. 大企業の下請け的な仕事をしていて「価格決定力」がない
  2. 参入障壁が低い
  3. 優秀な人材がいない
  4. オーナー経営者の息子(次期社長)がバカである
  5. 世の中の関心が薄いため経営者が不祥事を起こしやすい
  6. TOBしにくい株主構成になっているので経営者が堕落しやすい
  7. 粉飾決算があった時にダメージが大きい
  8. 海外に進出するだけのリソースがない
  9. 株を相続する時のために(相続税を安くするために)、できるだけ株価は安いほうがいいとオーナー社長が思っている
  10. オーナー社長が引退する時に莫大な退職慰労金が支払われることがある

あくまでも可能性の話ですが、こうしたリスクが小型株にはあるのです。 人々は、PER、ネットキャッシュ比率で割安である順に銘柄が出てくるようスクリーニングを行います(個人投資家の皆さんは、今はそういうスクリーニングはできないかもしれません。しかし、そのうちネット証券のサービスでネットキャッシュ比率、あるいはEV/Ebitda倍率とかも見られるようになると思います)。 すると、基本ダメな会社順に並んで出てきます。でも、その中に「この会社ってそんなにダメなの? ちょっと調べてみようか」という会社が何社か出てくるのです。砂の中から砂金を見つけるイメージで。 つまり、いろいろな理由で小型株は安いけど、本来そこまで安くなくてもいい銘柄までまわりにつられて安くなっている、ということです。それを一銘柄ずつ会社訪問をし、丹念に調べていこうというのが我々のやり方でした。それで万が一「成長株」を見つけると、ホームランです。手間とエネルギーのいる仕事なので年を取るとだめですね。

低PER、高ネットキャッシュ比率銘柄で特に数が多いのは「不動産株」です。 昔、「菱和ライフクリエイト」というマンションデベロッパーがあり、社長がわけのわからない理由で逮捕されて辞任しました。我々は大株主で一時的に被害を受けましたが、割安な株であったため、その後TOBになり儲かりました。結局、社長は無罪。とてもばかげた逮捕劇でした。 不動産会社D社の場合、社長が愛人宅のマンションで薬物を摂取し、ラリっているところを警察に踏み込まれてあえなく逮捕(事情通の方からの話で事実確認はしていませんが)。さすがに現行犯ではねえ。執行猶予付きで有罪になったのだと思います。 後で詳しく書きますが、大阪のワンルームデベロッパーのプレサンスコーポレーションの社長も逮捕されました(結局無罪)。最近では、三栄建築設計の社長も暴力団に金を渡したのがばれて辞任しました。 こうした経営者リスクのほかにも、中小の不動産会社は不動産市場が悪化すると、場合によっては倒産しますし(リーマンショック時は数多くの上場不動産会社が倒産しました)、1980年代のバブル時にヤクザが絡んだ「地上げ」のイメージもあるのかもしれません。 そんなこんなで中小の不動産会社は株式市場での評価がとても低いのです。確かにこれだけ逮捕者が出たり、リーマンショックで多くの倒産があったりしたわけだから、それは「正当な評価であってバイアスではない」という意見もありそうです。でも、それにしても株価が安すぎます。 だから、数少ない「まともで自己資本比率が高い」中小型不動産株はお買い得です。さらに、業績が伸びていれば株価が数倍になるのも夢ではありません。 我々にとっては割安な中小の不動産会社株は「リサーチするに値する投資対象」です。後で詳しく書きますが、我々のファンドの25年の歴史で一番儲かったのがプレサンスですから。

割安小型株の中でも株価が大きく上がるのは、やはり成長する会社です。その会社の成長性がまったく市場で理解されておらず、PER5倍とかなら買い集めれば強烈なリターンになるわけです。 人気のないセクターの代表として中小の不動産会社の話をしましたが、ほかにもイメージの悪い業界はあり、往々にしてそこに面白い投資機会が隠れています。 家具のニトリなども以前は人気がなかったんですよ。景気がどん底の北海道銘柄ということで。家具という市場自体が魅力的なビジネスではないですからねえ。ニトリの株価が10倍になって我々は売りましたが、日本の家具市場の規模はその間に半分になりました。業界としてみれば最悪だったわけです。人材派遣業も胡散臭い目で見られていたので「UTグループ(第6章で後述)」のような成長企業を機関投資家は見逃しました。 ほかにも例を挙げるなら、我々は長い間「上村工業」の株主でした。この会社は超ハイテクな優良企業です。しかし、「メッキ」の会社というイメージ(下町の汚い工場で金属をメッキ液にドブづけしているようなイメージ)が強くて、我々が投資し始めたころはPERが低かったのです。 こうした成長性がないと思われている業界やイメージの悪い業界からぜひ成長株を探してみてください。割安なら、業績が横ばいの会社でも少しは儲かる確率が高いし、成長株を当てれば株価は何倍にもなりますから。

https://gendai.media/articles/-/124921

私はPERの問題点を補う指標としてネットキャッシュ比率を使っています。その説明の前に、valuationのなかでPERの次に皆さんがよく使うPBR(株価 / 一株当たり純資産)について説明させてください。一株当たり純資産が100円で株価が200円ならPBRが2倍で評価されている、と言います。 PBR=株価 / 一株当たり純資産=時価総額 / 純資産 2023年には東証がブチ切れて「PBRが1倍を割れている会社の数が多すぎる! この不甲斐なさはなんだ! しゃんとせんか!」と檄を飛ばして、ちょっとしたPBR相場になりましたねえ。

純資産は自己資本、株主資本とも呼ばれます。基本的に、それ自体で定義されることはなく「資産-負債」で定義されます。 純資産は解散価値とも言われ、「会社をたたむとこれだけのお金が残る」という印象を与えます。しかし、これは大きな間違いです。はっきり申し上げますが、純資産は解散価値ではありません。 そもそも上場会社で解散する会社などほとんどありません。また、現実的に解散しようと思うとそれに伴い膨大な費用もかかるでしょう。だから「会社を解散したら」という仮定をおいて議論するのは意味がないのです。 純資産を「解散価値」だと思っていると以下のような間違った結論を導いてしまうかもしれません。 これまで利益が出ていてPER10倍で株価が評価されていた。しかし、赤字になってPERで評価できなくなった。そこでPBRを見ると0.5倍だった。解散価値よりずーーっと安い。株価は倍になる可能性がある。 この議論の最大の問題は、この会社が持っている固定資産、例えば工場や機械設備を簿価で買ってくれる会社なり人がいると仮定しているところです。果たして、赤字を垂れ流す工場や機械設備が簿価で売れるのでしょうか? また、利益が出ていて配当を払っている場合は、株式はPERや配当利回りで評価されPBRはあまり意味を持ちません。つまり、会社が赤字になるとPBRのほうを見だすのです。 しかし、赤字になると普通は会社の持っている固定資産の価値も下がり、減損すればPBRの値も上がってしまいます。資産100億円の80%が固定資産だと、50%減損すると40億円の特別損失が出ます。もし借入50億円、純資産50億円だったとすると40億円の減損によって純資産は10億円に減少してしまいます。時価総額が25億円だったとするとPBRが0.5倍で「割安だ」と思っていた株が、減損したとたんにPBR2.5倍になって全然割安じゃなかった、ということになるわけです。 つまり、会社が黒字でも赤字でもPBRは評価基準としてあまり役に立たないことになります。

従って、見るべきは会社が赤字になろうがなるまいが同じ値段で売れる資産がどれほどあるかということです。それに会社が持っている現金を足して全負債を差っ引いた数字がキーなのです。それがネットキャッシュです。私はネットキャッシュとネットキャッシュ比率をこう定義しています。 ネットキャッシュ=流動資産+投資有価証券×70%-負債 ネットキャッシュ比率=ネットキャッシュ / 時価総額           =(流動資産+投資有価証券×70%-負債)/ 時価総額 ここではネットキャッシュの定義として流動資産の価値を100%とカウントし、固定資産の価値を投資有価証券以外はゼロと置いています。もちろん、流動資産が全部簿価で売れるわけではないでしょう。だから、本当は流動資産から在庫は差っ引いて計算すべきかもしれません。あるいは在庫は簿価の70%で評価するとか。 ネットキャッシュがマイナスの会社というのは、借金が「とりあえず短期間で現金化できる会社の資産」を上回っている会社だということです。これを「ネットデット(純負債)」のある会社と言い換えることもできます。ネットキャッシュがマイナス20億円の会社はネットデットが20億円の会社です。 私は、最初の大雑把なスクリーニングでは流動資産をそのまま使っています。投資有価証券に70%を掛けているのは一般的にコストが簿価を大幅に下回っていることが多く、現金化すると税金を払わないといけないからです。いちいち有報(有価証券報告書)でコストを調べるのも面倒なのでコストを保守的にゼロとして売った時の税金分30%を引いているのです(大雑把な計算なので税率30%としています)。これで時価総額20億円以上の条件でスクリーニングし、ネットキャッシュ比率で見て数値の高い順に並べます。

個人投資家の方で自分にはそういうスクリーニングはできないという人は、とりあえず低PER、低PBR銘柄の中からいけそうな銘柄を選び、ホームページで決算短信を見てネットキャッシュ比率を確認してもいいかもしれません。PBRは低くても「この会社は固定資産ばかりで現金にまったく余裕ないわ」などとチェックするだけでもいいでしょう。 我々は、このスクリーニングを数ヵ月に一回やって割安銘柄の候補を探していました。最後にやったのはファンド終了の1年ぐらい前でしたかね。 その時はネットキャッシュ比率1以上の銘柄が320社もありました。ネットキャッシュ比率が1というのは「会社がただで買えるほど割安」ということです。数字が大きいほど割安ということになります。 ネットキャッシュ比率が1なら、お金を借りて時価でその会社の株を全部買うと、借りたお金は会社にある現金や換金可能な流動資産を売って返済できます。つまり、ただで会社が買えるのです。 さらにネットキャッシュ比率が1を超えている株式は「ただで会社をもらった上に現金までもらえる」ということですから、さらに非常識なvaluationです。常識ではありえないことが日本の株式市場では起きています。今は少し数が減っているかもしれませんが、非常識に割安な株式はまだいっぱいあると思います。

https://gendai.media/articles/-/124830

ここで、「投資家は相場に勝てるのか?」について考えてみましょう。この議論は「効率的市場仮説」と呼ばれてきました。この仮説では「市場はすべての情報を織り込んでいて正しい。だから投資家は市場に勝てない」と主張します。 今でこそこんなくだらない議論はしなくなりましたが、昔は延々と議論していたんですよ。インデックスファンドが米国に登場したあたりにこの議論は盛んだったようです。日本であれば、日本株に投資してTOPIXのパフォーマンスに勝てるかどうかということです。 果たして、この主張は正しいのでしょうか? ここでこれらの議論がいかに不毛なのかを考えてみましょう。それは「市場」という言葉を漠然と使っているからです。 あなたに行きつけのレストランチェーンがあったとします。この会社は上場していて、あなたは株価をよく見ています。ある時、経営者が変わり、人件費を減らしてコストを削減し、増益になります。株価はそれを好感して上がりました。 でも、店員の数が減ったために、なかなか注文を取ってもらえなかったり、料理が出てくるまでに時間がかかったり、店が汚くなったりします。結果、このレストランに来る人数は減り始めます(実はこれってよくある話なのですよ)。もちろん、いずれ月次の既存店来客数は発表になりますが、あなたはいち早くそれに気づいて、その数字が公表される前にその株を空売って儲けることができるかもしれません。悪い数字が公表されれば、おそらく株価は下がるでしょうから。 この例だけでも「市場は常に正しい」という主張は嘘だとわかりますし、市場を出し抜けることがあることも証明できます。 私の結論を簡単に言えば、「投資家はマクロで勝つのは非常に困難だが、ミクロでは勝てるチャンスが多い」ということです。マクロとは日経225、為替、金利のように経済全体にかかわるような指標のことです。ミクロというのはその逆でさっきのレストランの例を思い浮かべてください。 ここで申し上げたいのは、運用を始めてから20年余りの間で神戸製鋼所の勉強をしたのがたった1時間だけだということです。ただし、この1時間は3人とも神戸製鋼所のことしか考えませんでした。寄り付きの瞬間までの1時間、アナリストに電話をかけまくり、ウェブで情報を集め、我々は集中して市場を出し抜いたのです。 イメージでいうと、太陽光では火はつきませんが、凸レンズで焦点を当てれば発火するのと同じ感覚です。この日の寄り付きまでが勝負で、寄り付いてしまったらもうリサーチする必要はありません。反発したところで売ってトレーディングは終了。その後は神戸製鋼所のことは忘れてしまいました。 つまり、「市場」はそれまでの数十年間、我々よりもはるかにたくさんの知識を神戸製鋼所に関して蓄積していたのです。それでも、その日8時から寄り付きまでの1時間ちょっとの間だけは「市場は正しい確率を探り損ねていた」ということなんだろうと思います。 通常、市場は合理的です。市場が織り込んでいる情報はどの投資家が持っている情報より幅広く深いのでしょう。だから、大型株で投資家が儲けるためには「市場が見せる一瞬の隙」を逃さないことです。まあ割安小型株の場合には驚くほど隙だらけなのですがね。 先ほどのレストランの話の続きをしましょう。もし、証券会社のアナリストがこの会社をよくフォローしていて、そのレストランにもしょっちゅう食べに行っていたとしたらどうでしょうか? あなたが空売りする前にアナリストが「この会社は短期的に利益を上げるためにコストを下げたが、結果として来店者数は減っている。この株は売り」というネガティブなレポートを出して相場が織り込んでしまう(株価が下がってしまう)かもしれません。そうなると、もうあなたには儲けのチャンスはありません。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
カテゴリー: 未分類 タグ:
  1. コメントはまだありません。
  1. トラックバックはまだありません。

CAPTCHA